相続税の税率とその計算方法は?

相続税の計算方法

相続税の計算方法は、まず課税対象となる財産の額を確定する事から始めます。課税対象となる財産の額は、被相続人の財産にみなし相続財産と相続時精算課税によって贈与した財産の価額を加算し、非課税財産の価額や葬儀費用などの債務を差し引いた金額(課税価格)であり、相続が開始される前3年間において被相続人から暦年課税による贈与を受けていた場合の贈与額も財産に含まれます。

このみなし相続財産とは被相続人の死亡に基因して発生する財産を言い、被相続人の勤務先から受け取る死亡退職金や、被相続人が保険料を負担していた生命保険金、社会通念上妥当とは言えない多額の弔慰金などが該当します。相続時精算課税は、20歳以上の直系卑属に対して行われた贈与に係る贈与税を一定額まで非課税とし、かつその贈与した財産の価額を相続財産に加算して、相続税でまとめて税額を計算する制度を言います。

課税対象の財産額が確定したら、各相続人や受遺者の課税価格を合計し、その合計額から3,000万円に法定相続人一人につき600万円を加算した基礎控除額を差し引きます。この時、仮に法定相続人が相続放棄をした場合であっても法定相続人の数に含まれ、法定相続人の中に養子が含まれている場合は被相続人に実子がいる場合は一人、居ない場合は二人までが法定相続人に含まれる点に留意して下さい。

基礎控除額を差し引いて課税価格が赤字となった場合は相続税は課税されませんが、残額がある場合はその金額を民法に規定する法定相続分で分割したものと見なして各法定相続人が取得する金額を計算し、その金額に応じて10%から55%の税率を乗じてそれぞれの相続税を算出します。各法定相続人の税額を合算した金額が相続税の総額となり、次にこの総額を実際に財産を取得した人の課税価格に応じて按分して、それぞれが負担する税額を計算します。

そして、それぞれの相続人や受遺者が負担する税額が確定したら、2割加算や税額控除を加減し、最終的に納付する税額を計算します。2割加算とは、相続人や受遺者が被相続人に配偶者および一親等以外の者である場合、税額が2割増しとなる制度を言います。ただし、一親等の者の代襲相続人である時は2割加算は不要となります。

税額控除には、配偶者の税額軽減や未成年者控除などがあります。配偶者の税額軽減とは、被相続人の配偶者が取得した財産の価額が、1億6,000万円または配偶者の法定相続分のいずれか高い方の金額までは非課税となる制度であり、未成年者控除とは財産を取得した時に20歳未満の法定相続人である場合に、その者が20歳になるまでの年数(1年未満は1年として計算)に10万円を乗じた金額を税額から控除する制度です。

この他にも、相続開始前10年間において被相続人が相続や遺贈等によって財産を取得し、かつそれに対して相続税を課税されていた場合に一定額を税額から控除できる相次相続控除や、相続人や受遺者が障害者である場合に一定額を控除できる障害者控除などがあります。